2025年5月17日土曜日

欠けたペンダント

帰る
帰るのだ
もう何処に帰るのかすら思い出せないけれど
それでも帰るのだ
帰る
帰る
体はとうの昔に朽ちた
いや違う
私は誰だ
私は

帰る
帰るのだ
もう何処に居るのかさへ分からないけれど
それでも帰るのだ
帰る
帰る
あの人のところに……
あの人?
それは誰だ
私は

帰る
帰るのだ
帰らなければならない
思い出したんだ
帰る
帰る
あの人の故郷へ
あの人の家族が居る国へ
私はペンダント
死したあの人が最期まで持っていたペンダント
帰る
帰るのだ
あの人が愛した人のところへ

白百合に囚われる

黒い髪、白い髪 黒い瞳、緑の瞳 傷だらけの体、玉のような肌 顰めっ面、微笑み 隙のない佇まい、いつでも殺せそうな儚さ 執事、主人 守る者、守られる者 ……あぁ二人は全く違う。 愛しい人、こんなに違うのにあなたは私を愛してくれる。手を差し伸べてくれる。 その美しい手で私を救ってくれ...