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2026年1月5日月曜日

踏切の夢、藍の底

カン カン カン カン カン カン カン カン
鉄の箱を知らせる警告音
音が響く
無機物から伸びる影
此処は

橙、朱、茜、紫、藍
空と共に燃えている高麗門
星が笑う
炎から手招く海月
其れは

下天のうちをくらぶれば
夢、幻の如くなり

カン カン カン カン カン カン カン カン

橙、朱、茜、紫、藍
音が響く
星が笑う

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり

カン カン カン カン カン カン カン カン

鉄の を知らせる警告音
音が響く
無 物から伸びる腕

已めよ

カン カン カ ン

橙、朱、茜、紫、

藍、藍、藍、藍、藍

月が輝いている

2026年1月1日木曜日

いつか鈴蘭の咲く頃に

キラキラ キラキラ
一目見て重なった
いつかの記憶の夢
閉ざされた旅路
求めていたイフ
愛おしい人 愛おしい人
変わりない笑顔
待って 置いていかないで
手を繋いでください
名前を呼んでください
愛おしい人 愛してくれた人
あの日の続きを
約束の場所はもう無いけれど
またあなたの隣に
過ぎる日毎にカレンダーに印を付けて
空を 海を 国を 森を 山を 砂漠を 荒野を 虹を 遺跡を
今度こそ一緒に見てまわろう
だから

またあなたの名前を呼んでいいですか

2025年12月30日火曜日

タイトル:希う

寒空の下 紙とボールペン

ガリガリと 空を描く

月と太陽 どちらも昇らせて

木を 雨を 桜を 雪を

描いて 描いて 描いて


   ガリリ

ボールペンが止まる


バス停と バス停の時刻表

この駅は いつバスが来るんだろう

とんちんかん あべこべ ちぐはぐ ぜんぶのせ

誰も来ない駅 誰も知らない場所

紙に色を落としたとして きっと

時刻表は まっさらのままだ


とんちんかん あべこべ ちぐはぐ ぜんぶのせ

ずっと みつからなければいい

2025年12月29日月曜日

青い瞳

時計、向日葵の花、蜷局を巻いた蛇、蝶々、篝火、傷のある虎、地球儀、ガレオン船。
私は人の顔が認識できないの。
代わりに人の顔以外で認識してしまう。
人と違うのは大変よ、でもそれを疎んだことはない。
人と違うことを何故忌避する必要があるのかしら?
私は今日も素敵だわ。
青い瞳の少女は誰よりも真実を見ているわ。
貴方もそうでしょ、探偵さん?
時計、向日葵の絵画、螺子を巻いた絡繰、蜘蛛、電灯、飛び跳ねる兎、コンパス、ドローン。
私が人の顔を認識できないように、
貴方は人の声を同時に物として認識してしまうのね。
お互いちょっとした変わり者ね。でも素敵よ。
人と違うところがあっても凹む必要あるかしら?
私は明日も明後日も素敵だわ。
それは貴方もよ、探偵さん?
青い瞳の少女は誰よりも真実を見ているのよ。
貴方の瞳もそうでしょ、探偵さん?

2025年12月28日日曜日

許容

炬燵の上で湯気を上げる土鍋
グツグツと揺れ膨らむ水音に混ざり響く映画の効果音
この映画前も観なかった?
君がお玉を動かしながら呟く
観たよ、というか全シリーズ観てるでしょ
僕はスマホをポチポチしながら答えた
はよ食べな
君はお玉の取っ手を僕に向けた
今年もいつも通り放送される同じシリーズの映画
今年もいつもこの時季に多くなる鍋料理
今年もいつも通りの冬を過ごしている僕達
映画も 僕達も
最初からわかっている展開なのに、飽きもせず同じ温度を感じている

2025年12月23日火曜日

空気は食べるもの

 部室に広がる油、甘さ、の匂い。

 ドーナツ買ってきたと先輩は笑った。

 はい、と言われて伸ばした、手の平には空気が乗っている。

ドーナツは?

 意地悪気な顔、先輩は告げた。

そこにある。それはドーナツの穴だ。

 ケラケラ、ケラケラ。

食べましたね、俺のドーナツ。

 軽やかな破裂音。

元々お前のじゃない。だがそうだな。

 先輩は、猫、

お前がそんなに穴以外のドーナツを欲しいなら。

 指先はナイフ。切れないけど。

お前が のドーナツの穴を証明してみろ。

はぁ?

お前のドーナツと のドーナツ、等価交換だ。

 先輩は猫じゃない、カメレオンだ。

……どこが等価なんです?

 ケラケラ、ケラケラ。

 先輩は のように笑った。


あ、ちなみに何処で買ってきたんです?

自販機。

自販機!?

2025年12月22日月曜日

ヒラヒラ

目の前で木の葉が落ちたのを目撃した

それは意図したものではなかったけど

もしそれを見なかったらあの木の葉は

他の落ちた木の葉と一緒くたにされて

落ちてる間の時間経過も無いとされて

ただの落ち葉として処理されてしまう

ならば今私が落ちる木の葉を見たのは

落ちるという木の葉を観測すると共に

その木の葉の存在をこの世界に固定し

固定したことでそれを目撃した自分が

この世界に固定されたのではないかと

冬風と葉擦れを聴きながら思ったのだ

2025年12月21日日曜日

人として在りたかっただけ

あーあ、詐欺師として指名手配されちゃった。
別に騙したかったわけじゃないのに。
そりゃあちょっとアレ良いなーとか、コレ欲しいなーとか言ったけどさ
別に要求したわけじゃないんだよ?
なのに勝手に俺に貢いで、期待した反応じゃなかったからって訴えるの酷くない?
勝手に貢いだのはそっちじゃん。
俺は君達の悩みや愚痴を聞いてたけど
それだけでしょ?
なのに勝手に俺に心酔して、勝手に俺に期待して、勝手に俺を悪者にして、何がしたいの?
頭の悪い可哀想な人達だ。

あ、シャボン玉。
随分高く飛んでるなぁ。
俺もあんな風に飛べたなら、ちゃんと俺を見てくれる人の所に行けるのかなぁ?
俺がシャボン玉だったら
きっと俺を見つけてもそれだけで、俺に何も期待しなくて、俺に触れようともしないはずだ。
……あぁでもやっぱシャボン玉は困るかも、だって、あっ。
あーあ、壊れちゃった。

2025年12月18日木曜日

結婚式前夜

ぬるい風に頬をくすぐられ目を開くと、一面の星屑と無人の改札機があった。
星の海を駆ける列車を見上げれば、幼いわたしが車窓越しに手を振った。
大きく大きくわたしに手を振って、清々しく口を開けて笑っている。
無垢で恋の一つも知らない幼い子、わたしが置き去りにした忘れられていた星。
大きく大きくわたしに手を振って、列車ごと星の海の奥底へと消えて行く。
大人だから改札機の向こう側へは行けない、だから手を振り返す。
さようなら無垢なる子、明日わたしはあなたの夢を叶えるよ。

2025年12月16日火曜日

夜明けのコーンスープ

エレベーターが停止した

だから俺が呼ばれた

エレベーターを修復した

だから皆ほっとした

エレベーターは作動した

だから道具を片付けた


ありがとうと感謝された

だから俺は笑い返した

ありがとうに困惑した

だから口が引き攣った

ありがとうが木霊した

だから頭を振り払った


なんだ、

なんだったか

いつも通りなのに、

擦り切れたなにかを

思い出しそうな気がした


あぁ、


あの人のコーンスープが飲みたい

2025年8月9日土曜日

【改訂】欣幸ノ加護

2025年4月26日の投稿作品『欣幸ノ加護』を一部書き直しました。
・ルーン文字のベースになった現代英語を古代英語に変更
・それに伴うルーン文字の変更


​───────​───────​───────​───────


光さす青き湖 船を漕ぐ
風しなる水面 弧を描く
緑揺らぐ花畑 香を纏う
遥かなる大空 時を刻む
ᛒᛚᛖᛏᛋᚢᚾᚷ ᛋᛁᛖ ᛟᚠᛖᚱ ᛖᚨᛚᛚᚾᛖ ᚹᛖᛟᚢᚱᛚᛞ
ᛋᛁᛖ ᚦᛁᚾ ᛚᛁᚠ ᚷᛖᛒᛚᛖᛏᛋᛟᛞ


光落ちる平野 野を駆る
風やまぬ草原 影を揺す
緑広がる森林 橙を装う
遥かなる大地 生を刻む
ᛒᛚᛖᛏᛋᚢᚾᚷ ᛋᛁᛖ ᛟᚠᛖᚱ ᛖᚨᛚᛚᚾᛖ ᚹᛖᛟᚢᚱᛚᛞ
ᛋᛁᛖ ᚦᛁᚾ ᛚᛁᚠ ᚷᛖᛒᛚᛖᛏᛋᛟᛞ


光零れる砂漠 星を仰ぐ
風すさぶ砂丘 遠を見る
緑連なる清水 命を紡ぐ
遥かなる夜闇 孤を刻む
ᛒᛚᛖᛏᛋᚢᚾᚷ ᛋᛁᛖ ᛟᚠᛖᚱ ᛖᚨᛚᛚᚾᛖ ᚹᛖᛟᚢᚱᛚᛞ
ᛋᛁᛖ ᚦᛁᚾ ᛚᛁᚠ ᚷᛖᛒᛚᛖᛏᛋᛟᛞ


光反射す雪山 息を飲む
風あそぶ粉雪 音を穿つ
緑隠れる樹氷 日を掴む
遥かなる明星 名を刻む
ᛒᛚᛖᛏᛋᚢᚾᚷ ᛋᛁᛖ ᛟᚠᛖᚱ ᛖᚨᛚᛚᚾᛖ ᚹᛖᛟᚢᚱᛚᛞ
ᛋᛁᛖ ᚦᛁᚾ ᛚᛁᚠ ᚷᛖᛒᛚᛖᛏᛋᛟᛞ

2025年5月26日月曜日

気付く

木津に寄付で築いた義父の金城

生酢が好きなキツツキが気付いたkillの跡

木槌で傷付いた逃走のキツツキ慌てて木筒に入る

「ちとキツいがしょうがない 菊を供えられるよりキュウキュウキツい方がマシさ」

さりとて犯人近くをギルギルと木槌で音を鳴らしグルグル徘徊中

さぁどうするキツツキ? 生酢をくれた義父はもう口を利くこともできないぞ

絹糸のように細い希望に縋るか?

棋譜を読むように先手を打つか?

あぁそれとも絆とやらを信じて賭けにでるか?

まぁどれも気狂いのわたしには効くまい

ギルギル ギルギル ギルギル 

……あぁ飽きてきた 気分屋というのも困り物だ

さぁ隠れん坊はもう終わり 最初から気付いていた

木筒に入ってるキツツキにも 今わたしを見てる気付き者にもな

2025年5月22日木曜日

独白

主様、主様
どこに居られるのですか?
何も見えませぬ
何も聞こえませぬ

主様、主様
どこに行かれたのですか?
此処は暗いのです
此処は何も無いのです

主様、主様
どうして帰ってきてくれないのですか?
会いたいのです
会いたいのです

主様、私は、私達は、
もう要らないのですか?


……

……

出会いあればいずれ別れあるのが定め
悲しみはあれど、恨みはすまい
それが私達の最期の忠義

主様、主様
また私達を愛してくれますか?
もしまた会えたなら
もしまた主様になってくれたなら
違う私達を愛してくださいね

2025年5月21日水曜日

石巌思索

雨が降っている
雨が降っている
我が身を穿つ
我が身を濡らす
天のなんと暗きこと
向かいの白き山靄は寒し
手前の小さな露草は淋し
雨よ
雨よ
何故我が身を穿つ
何故我が身を濡らす
ああ
ああ
そうか
天の上は誰もおらぬゆえ
雲は我が子を落とすのだな
地上はきっと楽しかろうと
それでも雨が我が身を穿つのは
我が身を濡らすのは
落とされた雨も淋しいからだ

2025年5月19日月曜日

宵酔い良い、夜々いのヨイ!

宵酔い良い、夜々いのヨイ!
神々集うたならば宴の始まり
一升二升、どんと飲み干し騒ぎましょう
えんやこら、そーりゃこら!
さぁさぁさぁ神輿担げよ騒げよ祭り
カラカラ回して風車
カンカン鳴らして鳴子板
さぁさぁさぁ歌い踊り騒ぎましょう!


宵酔い良い、夜々いのヨイ!
神々集うて賑わう宴はまだまだ
三十升四十升、うんと飲み干し騒ぎましょう
やんややんやの大宴!
さぁさぁさぁ神輿揺らせよ捧げよ神威へ
ドンドン叩いて大太鼓
ゴロゴロ光るは稲光
さぁさぁさぁ歌い踊り騒ぎましょう!


宵酔い良い、夜々いのヨイ!
神々集う今宵の宴もたけなわ
九十升百升、ぐんと飲み干し騒ぎましょう
晴れてハレルヤの大喝采!
さぁさぁさぁ神輿回せよ栄えよ我が子
ザブザブ笑って波の音
ゴウゴウ謡うは星鏡
さぁさぁさぁ皆々様お手を拝借

宵酔い良い、夜々いのヨイ!

宵酔い良い、夜々いのヨイッ!

2025年5月17日土曜日

欠けたペンダント

帰る
帰るのだ
もう何処に帰るのかすら思い出せないけれど
それでも帰るのだ
帰る
帰る
体はとうの昔に朽ちた
いや違う
私は誰だ
私は

帰る
帰るのだ
もう何処に居るのかさへ分からないけれど
それでも帰るのだ
帰る
帰る
あの人のところに……
あの人?
それは誰だ
私は

帰る
帰るのだ
帰らなければならない
思い出したんだ
帰る
帰る
あの人の故郷へ
あの人の家族が居る国へ
私はペンダント
死したあの人が最期まで持っていたペンダント
帰る
帰るのだ
あの人が愛した人のところへ

2025年5月11日日曜日

宙で踊れ

Hello Hello Hello !
逆さまの空から真っ逆さまに落ちて
宙に投げ出されちゃった!
ほらほらほら宙ぶらりん!
不幸ですか?
いいえ符号だわ!
誰も彼もラレも地面ばっかり見ちゃって
それじゃつまんないじゃない!
ほらほらほら宙ぶらりん!
逆さまの空には地に足がつけない
BADEND?
いいえHAPPYEND!
まぁ終わりなんてとっくに死んでるのだけど!
ほらほらほらキンキラキン!
ナンセンス?
いいえライセンス!
逆さまの空の果てで逆立ちしたのなら
不幸を足蹴でぶっ飛ばして
Bye Bye Bye !

2025年5月10日土曜日

Cherry

二つに分かれた赤い果実 二人は一つずつ分け合い
無垢故に深く考えもせず 蛇にそそのかされてるとも気付かずに

赤い 赤い その果実 食べてしまったのなら
もう泡沫には替えれない
開いてしまった善悪の扉 無垢は褪せ 純真は絡め取られた

眠れ 眠れ かの果実 食べてしまったのなら
もう楽園には帰れない
枯れてしまった常春の永遠 夢は弾け 命に枷が嵌められた

Cherry Cherry 赤い果実 笑ってちょうだい
もう天使には変えれない
溺れてしまった悦楽の二人 先は苦楽 神と人は別たれた

2025年5月9日金曜日

硬貨

昭和五十七年
昭和51年
令和3年
昭和五十年
平成12年
昭和六十年
令和二年
昭和52年
平成十六年
昭和63年
昭和50年
平成二十八年
昭和五十三年
平成元年

わたしの手元に来るまでにどれだけの景色を見てきたんだろうなぁ

暗い箱に入れられて
たまに外に出されて
時には自販機の下やどこかの道に転がっていたのかもしれない
丁寧に扱われたのかな?
それとも雑に投げられた?
どんな道程を歩んできたのだろう
わたしより年下だろうにわたしよりたくさんの人と触れたんだろうな
わたしよりうんと年上だからたくさんの場所に行ったんだろうな

木のように一つの所に留まってなくて
風のように実体がないわけじゃない
虫のように自分の意思で動けないのに
本のように特定の人達しか手に取らないわけじゃない
だからこそ今わたしの所に来たんだね
そしていつかわたし以外の人の所に行くんだね

わたしの手元から離れたあとにどれだけの景色を見るんだろうなぁ

2025年5月7日水曜日

綺羅星の如く

1から始まるソレは、様々な姿に形を変えて、
途方もない道を人間に歩ませる。
上がったり下がったり、数字と記号を組み合わせる中で、
解きようのない未知が立ち塞がったり、
徒労しかない結末が待っていたりする。
それはそれは心が疲弊するだろう。
時にはご飯が喉を通らない事もあるかもしれない、
幻覚だって見える事もあるかもしれない。
それでもソレを愛する者達がいる。

ただの文字の群れ。
しかしソレは美しく、時に歪に、世界を構成する。
さぁ次を解きに行こう。余白はたっぷりとあるのだから。

白百合に囚われる

黒い髪、白い髪 黒い瞳、緑の瞳 傷だらけの体、玉のような肌 顰めっ面、微笑み 隙のない佇まい、いつでも殺せそうな儚さ 執事、主人 守る者、守られる者 ……あぁ二人は全く違う。 愛しい人、こんなに違うのにあなたは私を愛してくれる。手を差し伸べてくれる。 その美しい手で私を救ってくれ...