2025年12月18日木曜日

結婚式前夜

ぬるい風に頬をくすぐられ目を開くと、一面の星屑と無人の改札機があった。
星の海を駆ける列車を見上げれば、幼いわたしが車窓越しに手を振った。
大きく大きくわたしに手を振って、清々しく口を開けて笑っている。
無垢で恋の一つも知らない幼い子、わたしが置き去りにした忘れられていた星。
大きく大きくわたしに手を振って、列車ごと星の海の奥底へと消えて行く。
大人だから改札機の向こう側へは行けない、だから手を振り返す。
さようなら無垢なる子、明日わたしはあなたの夢を叶えるよ。

白百合に囚われる

黒い髪、白い髪 黒い瞳、緑の瞳 傷だらけの体、玉のような肌 顰めっ面、微笑み 隙のない佇まい、いつでも殺せそうな儚さ 執事、主人 守る者、守られる者 ……あぁ二人は全く違う。 愛しい人、こんなに違うのにあなたは私を愛してくれる。手を差し伸べてくれる。 その美しい手で私を救ってくれ...