寒空の下 紙とボールペン
ガリガリと 空を描く
月と太陽 どちらも昇らせて
木を 雨を 桜を 雪を
描いて 描いて 描いて
ガリリ
ボールペンが止まる
バス停と バス停の時刻表
この駅は いつバスが来るんだろう
とんちんかん あべこべ ちぐはぐ ぜんぶのせ
誰も来ない駅 誰も知らない場所
紙に色を落としたとして きっと
時刻表は まっさらのままだ
とんちんかん あべこべ ちぐはぐ ぜんぶのせ
ずっと みつからなければいい
寒空の下 紙とボールペン
ガリガリと 空を描く
月と太陽 どちらも昇らせて
木を 雨を 桜を 雪を
描いて 描いて 描いて
ガリリ
ボールペンが止まる
バス停と バス停の時刻表
この駅は いつバスが来るんだろう
とんちんかん あべこべ ちぐはぐ ぜんぶのせ
誰も来ない駅 誰も知らない場所
紙に色を落としたとして きっと
時刻表は まっさらのままだ
とんちんかん あべこべ ちぐはぐ ぜんぶのせ
ずっと みつからなければいい
部室に広がる油、甘さ、の匂い。
ドーナツ買ってきたと先輩は笑った。
ドーナツは?
意地悪気な顔、先輩は告げた。
そこにある。それはドーナツの穴だ。
ケラケラ、ケラケラ。
食べましたね、俺のドーナツ。
軽やかな破裂音。
元々お前のじゃない。だがそうだな。
先輩は、猫、
お前がそんなに穴以外のドーナツを欲しいなら。
指先はナイフ。切れないけど。
お前が のドーナツの穴を証明してみろ。
はぁ?
お前のドーナツと のドーナツ、等価交換だ。
先輩は猫じゃない、カメレオンだ。
……どこが等価なんです?
ケラケラ、ケラケラ。
先輩は のように笑った。
あ、ちなみに何処で買ってきたんです?
自販機。
自販機!?
目の前で木の葉が落ちたのを目撃した
それは意図したものではなかったけど
もしそれを見なかったらあの木の葉は
他の落ちた木の葉と一緒くたにされて
落ちてる間の時間経過も無いとされて
ただの落ち葉として処理されてしまう
ならば今私が落ちる木の葉を見たのは
落ちるという木の葉を観測すると共に
その木の葉の存在をこの世界に固定し
固定したことでそれを目撃した自分が
この世界に固定されたのではないかと
冬風と葉擦れを聴きながら思ったのだ
エレベーターが停止した
だから俺が呼ばれた
エレベーターを修復した
だから皆ほっとした
エレベーターは作動した
だから道具を片付けた
ありがとうと感謝された
だから俺は笑い返した
ありがとうに困惑した
だから口が引き攣った
ありがとうが木霊した
だから頭を振り払った
なんだ、
なんだったか
いつも通りなのに、
擦り切れたなにかを
思い出しそうな気がした
あぁ、
あの人のコーンスープが飲みたい
黒い髪、白い髪 黒い瞳、緑の瞳 傷だらけの体、玉のような肌 顰めっ面、微笑み 隙のない佇まい、いつでも殺せそうな儚さ 執事、主人 守る者、守られる者 ……あぁ二人は全く違う。 愛しい人、こんなに違うのにあなたは私を愛してくれる。手を差し伸べてくれる。 その美しい手で私を救ってくれ...