我らは無限の時を生きる者。
我らは世界を管理する者。
我らは全ての生命の上に立つ者。
我が一族が白といえば黒も白となる。
我が一族と相見えるならば頭を垂れて蹲え。
我が一族に楯突こうならばその首疾くと刎ねよ。
それが我が一族だ。我が一族こそが絶対正義だ。
法は我らが下にあり、何者にも我らを侵犯することは出来ぬ。
だから、
だから──
お前、お前だ。
あぁ、やめろ、何だお前は。
知らぬ名前で呼ぶな、馴れ馴れしく声をかけるな。
私、私は。
知らない、お前なんて知らない。
そんな名前で呼ぶな、軽々しく触れようとするな。
死ね、死んでしまえ!
私、私の名前は──。
ハッと夢から覚める。
またあの日の夢か、気分が悪い。
私は尊き血を持つ者。
私は無限の時を生きる者。
私は世界を管理する者。
私は全ての生命の上に立つ者。
決して下界の人間などではない。
決して凡庸で力を持たぬ者なのではない。
決してあの男の、妹なのではない。
私、私は。
死体などではない、
命を奪われた者なのではない、
魂が無い蒙昧などではない。
あぁ、やめろ、何だお前は。
ノイズが酷くて、結局お前を殺せなかった。
あの日からずっと、胸がざわつく。
お前のことを考えるたび、ノイズが頭の中で響いてく。
私、私の名前は……。