2025年5月9日金曜日

硬貨

昭和五十七年
昭和51年
令和3年
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昭和六十年
令和二年
昭和52年
平成十六年
昭和63年
昭和50年
平成二十八年
昭和五十三年
平成元年

わたしの手元に来るまでにどれだけの景色を見てきたんだろうなぁ

暗い箱に入れられて
たまに外に出されて
時には自販機の下やどこかの道に転がっていたのかもしれない
丁寧に扱われたのかな?
それとも雑に投げられた?
どんな道程を歩んできたのだろう
わたしより年下だろうにわたしよりたくさんの人と触れたんだろうな
わたしよりうんと年上だからたくさんの場所に行ったんだろうな

木のように一つの所に留まってなくて
風のように実体がないわけじゃない
虫のように自分の意思で動けないのに
本のように特定の人達しか手に取らないわけじゃない
だからこそ今わたしの所に来たんだね
そしていつかわたし以外の人の所に行くんだね

わたしの手元から離れたあとにどれだけの景色を見るんだろうなぁ

白百合に囚われる

黒い髪、白い髪 黒い瞳、緑の瞳 傷だらけの体、玉のような肌 顰めっ面、微笑み 隙のない佇まい、いつでも殺せそうな儚さ 執事、主人 守る者、守られる者 ……あぁ二人は全く違う。 愛しい人、こんなに違うのにあなたは私を愛してくれる。手を差し伸べてくれる。 その美しい手で私を救ってくれ...