2025年5月2日金曜日

手のひらに風

それは寂借の恋でした。
人でなく、時間もなかった彼女。
初めから結果なんて決まっていた。
俺が彼女に喰われるか、彼女が力を失い消えるか。
最初は知らなかったけど、彼女の体が透けてるのを見て気付いた。
彼女は人ではない、ようやく気付いた時には遅かった。
それは不確かな恋でした。
彼女のことも、彼女の心も、俺たちの行く末も。
何も知らなかった。何も知りたくなかった。
それでも貴女に恋をした。
それだけは確かなことでした。





わかってる、わかってるんだ。
俺が生きてるのは彼女の努力の証明で、何事にも変えがたい尊いことで、受け入れるべきだってわかってるんだ。
それでも、
それでも胸が苦しくて悔しくて張り裂けそうなんだよ。

白百合に囚われる

黒い髪、白い髪 黒い瞳、緑の瞳 傷だらけの体、玉のような肌 顰めっ面、微笑み 隙のない佇まい、いつでも殺せそうな儚さ 執事、主人 守る者、守られる者 ……あぁ二人は全く違う。 愛しい人、こんなに違うのにあなたは私を愛してくれる。手を差し伸べてくれる。 その美しい手で私を救ってくれ...