2025年4月25日金曜日

鯨骨と桜

なぁ、我らは対照的だと思わんか?
春にだけ咲いてすぐに散る花に
長い時間己が意思で海を悠々と泳ぐ魚だ
それが別に羨ましいとは思わんよ、何ものにも産まれ持った個性と言うのがあるからな
吾は桜で、汝は鯨
それは変える事の出来ない事実で、何ものにも侵す事が出来ない命の組み分けだからな
長く海中で縄張り争いを勝ち泳いだ魚と
長く大地に根を張り生きる花か
おぉ、これは対称的だと思わんか?

……
あぁ、今宵は良い風が吹いておるな

……
鯨、鯨よ 死後に骨だけ祀られるとはどんな気分だろうな

……
汝は死後海から陸へ来た ならば吾は朽ちれば海へ行こう

……
あぁ、しかしその時に汝がおらぬのはちと寂しいかもな

白百合に囚われる

黒い髪、白い髪 黒い瞳、緑の瞳 傷だらけの体、玉のような肌 顰めっ面、微笑み 隙のない佇まい、いつでも殺せそうな儚さ 執事、主人 守る者、守られる者 ……あぁ二人は全く違う。 愛しい人、こんなに違うのにあなたは私を愛してくれる。手を差し伸べてくれる。 その美しい手で私を救ってくれ...