2025年5月26日月曜日

気付く

木津に寄付で築いた義父の金城

生酢が好きなキツツキが気付いたkillの跡

木槌で傷付いた逃走のキツツキ慌てて木筒に入る

「ちとキツいがしょうがない 菊を供えられるよりキュウキュウキツい方がマシさ」

さりとて犯人近くをギルギルと木槌で音を鳴らしグルグル徘徊中

さぁどうするキツツキ? 生酢をくれた義父はもう口を利くこともできないぞ

絹糸のように細い希望に縋るか?

棋譜を読むように先手を打つか?

あぁそれとも絆とやらを信じて賭けにでるか?

まぁどれも気狂いのわたしには効くまい

ギルギル ギルギル ギルギル 

……あぁ飽きてきた 気分屋というのも困り物だ

さぁ隠れん坊はもう終わり 最初から気付いていた

木筒に入ってるキツツキにも 今わたしを見てる気付き者にもな

2025年5月25日日曜日

水色のソーダ

カラカラコロリ
水色のソーダが弾けるの
アナタと私 夏の空
サンダル履いて入道雲
ポンポンと駆けたなら
水色の私たち 弾けるの

飛んでゆけ あの空に乗って
カラカラコロリ
パチパチシュワシュワ
水色のソーダが弾けるの

2025年5月24日土曜日

春の名残り

渡された鏡

そこに映った光は

とても眩しくて

芽吹いた花は

とても美しくて

大切な人へ伝えたいんだ

ありがとう

春は確かにそこにあったんだ

2025年5月23日金曜日

宝石の思い出

おいで、愛しい子
さいごに話しをしよう
それは昔の御噺
海の中しか知らなかった
母様の話

私たちの肉は長命の薬になる
それこそ不老不死と呼ばれるほど
ゆえに人間に狙われ続けてきた
だから母様も、その上の母様も、更にその上の母様たちも
ずっと、ずっと
人間に見つからないよう
暗い、暗い
海の底で暮らしてきた

泣かないで、愛しい子
さいごに話しをしたいの
これは思い出話し
あなたの父様と出逢えた
母様の話

それは全てを巻き込んだある嵐の夜
それこそ海の底も震わすほど
そこに一人の人間が流れてきた
それが父様よ
美しい人だった
ふふ、そう母様の一目惚れ
きっと、きっと
これは運命だと思ったわ
どきん、どきん
って心臓が高鳴った

笑って、愛しい子
さいごの話しになるから
これはあなたの話
あなたが産まれてきてくれた
愛おしい話

そして父様の命を繋げて数年
それこそ色んな壁があったけど
あなたという宝石が宿ってくれた
とても嬉しくて、本当に幸せで、父様も母様も泣いたのよ
ずっと、ずっと
この幸せが続けば良い
けれど、けれど
時に時間って残酷ね

さぁ行って、愛しい子
さいごに話せてよかった
大好きよ、愛してるわ


これで話しは終わり
御伽噺は海の藻屑
過ぎ去った話

見上げる水面より煌めいて見えた貴方の横顔
ゆきましょう
貴方の傍へ

2025年5月22日木曜日

独白

主様、主様
どこに居られるのですか?
何も見えませぬ
何も聞こえませぬ

主様、主様
どこに行かれたのですか?
此処は暗いのです
此処は何も無いのです

主様、主様
どうして帰ってきてくれないのですか?
会いたいのです
会いたいのです

主様、私は、私達は、
もう要らないのですか?


……

……

出会いあればいずれ別れあるのが定め
悲しみはあれど、恨みはすまい
それが私達の最期の忠義

主様、主様
また私達を愛してくれますか?
もしまた会えたなら
もしまた主様になってくれたなら
違う私達を愛してくださいね

2025年5月21日水曜日

石巌思索

雨が降っている
雨が降っている
我が身を穿つ
我が身を濡らす
天のなんと暗きこと
向かいの白き山靄は寒し
手前の小さな露草は淋し
雨よ
雨よ
何故我が身を穿つ
何故我が身を濡らす
ああ
ああ
そうか
天の上は誰もおらぬゆえ
雲は我が子を落とすのだな
地上はきっと楽しかろうと
それでも雨が我が身を穿つのは
我が身を濡らすのは
落とされた雨も淋しいからだ

2025年5月20日火曜日

寝起きの探索

何だったけな

夢でみたんだ

記憶の海を

ゆーらゆら

後ちょっとで

思い出せそう

ゆーらゆら

ゆーらゆら

記憶の海で

ばらの花弁が

ひとつ

ゆーらゆら

ゆーらゆら

ゆーらゆら

チャポン


あっ

2025年5月19日月曜日

宵酔い良い、夜々いのヨイ!

宵酔い良い、夜々いのヨイ!
神々集うたならば宴の始まり
一升二升、どんと飲み干し騒ぎましょう
えんやこら、そーりゃこら!
さぁさぁさぁ神輿担げよ騒げよ祭り
カラカラ回して風車
カンカン鳴らして鳴子板
さぁさぁさぁ歌い踊り騒ぎましょう!


宵酔い良い、夜々いのヨイ!
神々集うて賑わう宴はまだまだ
三十升四十升、うんと飲み干し騒ぎましょう
やんややんやの大宴!
さぁさぁさぁ神輿揺らせよ捧げよ神威へ
ドンドン叩いて大太鼓
ゴロゴロ光るは稲光
さぁさぁさぁ歌い踊り騒ぎましょう!


宵酔い良い、夜々いのヨイ!
神々集う今宵の宴もたけなわ
九十升百升、ぐんと飲み干し騒ぎましょう
晴れてハレルヤの大喝采!
さぁさぁさぁ神輿回せよ栄えよ我が子
ザブザブ笑って波の音
ゴウゴウ謡うは星鏡
さぁさぁさぁ皆々様お手を拝借

宵酔い良い、夜々いのヨイ!

宵酔い良い、夜々いのヨイッ!

2025年5月18日日曜日

ミニトマト

・ミニトマト
1パック118円
3パック買えば354円

・自分の機嫌
時価
現在価格は354円

2025年5月17日土曜日

欠けたペンダント

帰る
帰るのだ
もう何処に帰るのかすら思い出せないけれど
それでも帰るのだ
帰る
帰る
体はとうの昔に朽ちた
いや違う
私は誰だ
私は

帰る
帰るのだ
もう何処に居るのかさへ分からないけれど
それでも帰るのだ
帰る
帰る
あの人のところに……
あの人?
それは誰だ
私は

帰る
帰るのだ
帰らなければならない
思い出したんだ
帰る
帰る
あの人の故郷へ
あの人の家族が居る国へ
私はペンダント
死したあの人が最期まで持っていたペンダント
帰る
帰るのだ
あの人が愛した人のところへ

2025年5月16日金曜日

お日さまの下で

ゆっさゆっさとやまの井で蛙は舟をこぐ

  ゆっつりゆーと葉っぱの上で蛙は舟をこぐ


 さん

  さん

   さん

2025年5月15日木曜日

バトルジャンキー

誰かが言った
退屈は死んでるのと同じだと
戦いたい
死合いたい
理屈だとかそんなんじゃない
これは生存本能だ
生きている
よみがえる
あぁ
戦いこそ我が道標
戦いこそ我が人生

2025年5月14日水曜日

夜の前

夕日が落ちた海は

まだ少し残る光に

照らされ、白い

そこ以外の波は

濃い緑のような

藍色のような

暗いけど、灰色じゃないの

夜は、黒いけど

黒くなる前は

きっと、虹色なのね

2025年5月13日火曜日

花と月と折り鶴

私は無力です
私は鳴けません
私は飛べません
あの花のように香りで安らぎを与える事ができません
あの月のように大きな力で見守る事ができません
私はただ見ている事しかできない
もしも私に温もりがあったのなら
白い壁に囲まれたあなたを暖められたのに
それでも
それでも
この薄い身にあなたへの祈りが乗っているのだとしたら
届けましょう(できないとわかっているけども)
届けましょう(それが思い込みだとしても)
届けましょう(それが私が生まれた意味だから)

ああ違う!

私は無力だ
私はただの紙だ
私は花にも月にも成れない
あなたの苦しみを安らげさせる事ができない
あなたの怒りを受け止める事ができない
私はただ見ている事しかできない!
もしもなんて考えたって意味がない
病に蝕まれたあなたを暖める事なんてできやしない
それでも
それでも
この薄い身にあなたの願いが乗っているから
届けましょう(あなたの大事な人達に向けて)
届けましょう(これは本当の事だから)
届けましょう(これがあなたのさいごの望みなら)

2025年5月12日月曜日

愛の男

綺麗だと思ってた場所が作り物だと知った。
幸せだと思ってた時間が犠牲の上に成り立ってる物だと知った。
大切だと思ってた関係が簡単に上塗りされる物だと知った。
世界は人の怨嗟の連鎖で結果を繰り返す。

嫌い 嫌い 嫌い

こんな世界なんて壊れちまえと何度も思った。
でもそれ以上にこんな世界でも幸せを感じることが怖かった。
こんな自分でも幸せになれるのかと思い上がった瞬間怖くなった。
世界がただの作り物で誰かの宝物でなければ良かったのに。

嫌い 好き 嫌い

人が汗水流して作り上げた場所が綺麗だと知った。
作業の隙間にわざわざやって来て構ってくれる時間が幸せだと知った。
頑張ったら褒めてくれて間違っていたら叱ってくれる関係が大切だと知った。
世界が少しずつ色付いて記憶に笑顔が増えていく。

好き 好き 嫌い

こんな世界だからこそ誰かを守ろうと誓った。
これ以上こんな世界で誰も傷つかないようにと戦った。
こんな自分でも誰かの幸せの糧になれることが嬉しかった。
誰かの世界を守ることが生きる意味になっていた。

好き 好き 好き


……本当に?




好きだ 好きだ 好きなんだ

世界中の人々から嫌われていようと確かに自分を愛してくれた人達がいたから。
だから今度はオレが返すんだ、愛してくれた人達の夢が少しでも叶うように。
イカれてると思ったならそのまま笑えばいい、オレはオレの正義を貫くまでだ。
まぁ慣れっこさ、世界をまたしても敵に回しただけだからな。

好き 好き 好き 愛してる

2025年5月11日日曜日

宙で踊れ

Hello Hello Hello !
逆さまの空から真っ逆さまに落ちて
宙に投げ出されちゃった!
ほらほらほら宙ぶらりん!
不幸ですか?
いいえ符号だわ!
誰も彼もラレも地面ばっかり見ちゃって
それじゃつまんないじゃない!
ほらほらほら宙ぶらりん!
逆さまの空には地に足がつけない
BADEND?
いいえHAPPYEND!
まぁ終わりなんてとっくに死んでるのだけど!
ほらほらほらキンキラキン!
ナンセンス?
いいえライセンス!
逆さまの空の果てで逆立ちしたのなら
不幸を足蹴でぶっ飛ばして
Bye Bye Bye !

2025年5月10日土曜日

Cherry

二つに分かれた赤い果実 二人は一つずつ分け合い
無垢故に深く考えもせず 蛇にそそのかされてるとも気付かずに

赤い 赤い その果実 食べてしまったのなら
もう泡沫には替えれない
開いてしまった善悪の扉 無垢は褪せ 純真は絡め取られた

眠れ 眠れ かの果実 食べてしまったのなら
もう楽園には帰れない
枯れてしまった常春の永遠 夢は弾け 命に枷が嵌められた

Cherry Cherry 赤い果実 笑ってちょうだい
もう天使には変えれない
溺れてしまった悦楽の二人 先は苦楽 神と人は別たれた

2025年5月9日金曜日

硬貨

昭和五十七年
昭和51年
令和3年
昭和五十年
平成12年
昭和六十年
令和二年
昭和52年
平成十六年
昭和63年
昭和50年
平成二十八年
昭和五十三年
平成元年

わたしの手元に来るまでにどれだけの景色を見てきたんだろうなぁ

暗い箱に入れられて
たまに外に出されて
時には自販機の下やどこかの道に転がっていたのかもしれない
丁寧に扱われたのかな?
それとも雑に投げられた?
どんな道程を歩んできたのだろう
わたしより年下だろうにわたしよりたくさんの人と触れたんだろうな
わたしよりうんと年上だからたくさんの場所に行ったんだろうな

木のように一つの所に留まってなくて
風のように実体がないわけじゃない
虫のように自分の意思で動けないのに
本のように特定の人達しか手に取らないわけじゃない
だからこそ今わたしの所に来たんだね
そしていつかわたし以外の人の所に行くんだね

わたしの手元から離れたあとにどれだけの景色を見るんだろうなぁ

2025年5月8日木曜日

神秘と畏怖 真理と不理解

往時の夢裡

灰色の土壁

聳えし植物

膨れる子房

蠢動す胎座

生誕し赤子

誰何は不要

繋ぐは啓蒙

生命の循環

2025年5月7日水曜日

綺羅星の如く

1から始まるソレは、様々な姿に形を変えて、
途方もない道を人間に歩ませる。
上がったり下がったり、数字と記号を組み合わせる中で、
解きようのない未知が立ち塞がったり、
徒労しかない結末が待っていたりする。
それはそれは心が疲弊するだろう。
時にはご飯が喉を通らない事もあるかもしれない、
幻覚だって見える事もあるかもしれない。
それでもソレを愛する者達がいる。

ただの文字の群れ。
しかしソレは美しく、時に歪に、世界を構成する。
さぁ次を解きに行こう。余白はたっぷりとあるのだから。

気付く

木津に寄付で築いた義父の金城 生酢が好きなキツツキが気付いたkillの跡 木槌で傷付いた逃走のキツツキ慌てて木筒に入る 「ちとキツいがしょうがない 菊を供えられるよりキュウキュウキツい方がマシさ」 さりとて犯人近くをギルギルと木槌で音を鳴らしグルグル徘徊中 さぁどうするキツツキ?...