2025年3月31日月曜日

普遍

空を見た
海を見た
山を見た
今私の目の前には世界がある
潮風に髪を遊ばせ何を思う
私には全てがある
私はここにいる
お前はなんだ
世界が私で私が世界だ
私はお前でお前は私だ
私は全である
私は一である
私はどこにでもいて
私はどこにもいない
故に私は私なのだ

2025年3月30日日曜日

桜餅と仔猫

爽やかな風にフワフワ揺れる
桜の木の下
黒い箱からの魔法
目に飛び込んでくる
目に鮮やかなピンク色
わぁっと歓声が響き
君はご満悦そう

黒い箱に手がぞくぞく伸びる
澄んだ青の下
ピンクと緑の魔法
目に飛び込んでくる
とても美味しそうな景色
イイな、オレも食べたい
幹から離れいそいそと

持ち上げられるカラダ

……え?食べちゃダメ? そんなー!

2025年3月29日土曜日

幽か

私があなたの前からいなくなって
どれほど経っただろう?
寄せては返す波のように
消えない想いは募るばかり
会いたいよ 会いたいけど
意気地無し 根性無し
あなたの隣に行ったところで
どうせ見えないくせに

私の事まだ覚えてもらえてますか?
どれほど経ったって私は
夜を越えて朝を迎えても
消えない哀しみに顔を背けて
あなたの傍に行けないの
意気地無し 根性無し
あなたの傷跡から目を背けてる
どうせ触れないくせに

あなたに拾って貰ったこの心を
どれほど大切にしても
予備なんて無いのに失くして
消えない思い出だけが残って
あの日吐いた嘘に苦しんで
意気地無し 根性無し
あなたとまた話したいの
どうせ伝えれないくせに

どうせ何も出来ないならば
どうせ忘れられるくらいならば
私の方から忘れたいのに
どうか忘れないでと
あなたの事が忘れられないのです
意気地無し 根性無し
あなたにまた出会えたらなんて
どうせ戻れないくせに

2025年3月28日金曜日

犬も歩けば棒に絡まる

飼い犬が
鳴きもせず
ただこちらを見つめてる
ただこちらをじっと見つめてくる
あぁ。
お前また絡まったのか

犬小屋で
吠えもせず
絡まるリードと共に
ただこちらをじっと見つめてくる
はぁ。
まあそんなところも可愛いけど

2025年3月27日木曜日

ポーカーフェイス

遊びましょう
ふふ、そんな顔しないで
使うのはトランプ
賭けるのは私と貴方のプライド
ここから先は2人だけの世界

踊りましょう
あらあら、すました顔して
もしかしてスランプ?
欠けているのはこのカードかしら?
ここから先も私だけの世界

楽しみましょう!
まあ、苦しげな顔して
ちょっとしたトラブルね
カッコつけの曖昧な態度
これじゃダメね、それで精一杯?

遊んで、踊って、楽しんで
でも私独りだけじゃダメなの
貴方がいないとつまらない
カッコつけの曖昧な態度
それじゃダメよ、もっと狂って!

狂いましょう!
さあ、化けの皮を剥いで!
使うのはトランプ
賭けるのは私と貴方のプライド
ここから先は2人だけの正解

2025年3月26日水曜日

雪溶け

手のひらから零れ落ちた雪たちは
大好きなあなたを覆い隠して
僕の心を氷へと変えた。
春が来て、
雪が溶けたらなんて
そんな幻想をたまに夢見て
来るわけがないと目を瞑る。

それで良かった。
良かったはずなのに。

手のひらから零れ落ちた雪たちは
太陽に照らされ光り輝き
あなたは僕の前へ現れた。
春が来て、
雪が溶けたらなんて
それは幻想のはずだった
来るはずのない雪溶けだった。

ああ良かった。
良かった、本当に。

氷は涙となって、
僕の心に春が来た。

2025年3月25日火曜日

〆切前

とんと浮かばぬ日変わる一時間前
産めぬ苦しさはあれど
かの文豪も味わった焦燥感
我も少しばかり体感し
成程これがと悦に入る

2025年3月24日月曜日

星の雫

Lalala……
Lalula……

空の彼方にあるの

連れてって
と紙ひこうきに呟いた

夢の終わり
空の果て

堕ちた星の雫を拾い集めては
青へと還す

Lalala……
Lalula……

空の欠片を見上げ

眩しいな
と目を細めて呟いた

星の終わり
成れの果て

堕ちた星の雫を拾い集めては
涙をこぼす

Lalala……
Lalula……

Lalala……
Lalula……

夢の終わり
空の果て

どうか どうか

光あれ

2025年3月23日日曜日

所見

人間はめんどくさい
変なところで落ち込むし、怒る
喧嘩してるなと思えば
いつの間にか仲直りしてる
口を開けて笑ったかと思えば
誰も喋らないこともある

人間は不思議だ
一人で居たがるのに、群れる
空を板で写し撮っているのに
足元の雑草を踏み潰す
ゴミを地に捨てたかと思えば
廃材でアートを作る

人間は珍妙だ
ふとした時に祈るし、願う
何かを考えてるかと思えば
突飛な行動をみせる
人間が人間を害したかと思えば
誰かのために動くこともある

不思議だ
不思議で、可愛くて、妙な嫌悪感
人間はめんどくさい
人間は可愛い
人間は苦手だ
人間は好きだ
人間は嘘つきだ
人間は一途だ
人間は
あの人は



人間は短命だ

2025年3月22日土曜日

ファム・ファタール

ファム・ファタール
どんな美しい花も君には敵わない
薔薇も
白百合も
鈴蘭も
君の美貌の前ではただの引き立て役だ
ファム・ファタール
どうか美しい君に囚われた僕を愛しておくれ
ファム・ファタール
どんな災いが起きても君だけを愛すよ

ファム・ファタール
どんな美しい宝石も君には負ける
ルビーも
クォーツも
エメラルドも
君の美貌の前では借りてきた猫のようだ
ファム・ファタール
どうか何があってもこちらを振り向かないでおくれ
ファム・ファタール
どんな災いが起きても君だけは守るよ

ファム・ファタール
あぁ魔女よ、美しき魔女よ
人々を翻弄し、人々に翻弄された美しき人よ
愛も
憎しみも
純真も
君の美貌の前ではただの結果に過ぎない
ファム・ファタール
どうか美しい君に囚われた僕を愛しておくれ
ファム・ファタール
どんな災いが起きても君だけを愛すよ
ファム・ファタール……
ファム・ファタール……
ファム・ファタール……
あぁ、我が最愛の妹よ

2025年3月21日金曜日

馴染む

十年以上前に訪れた陶芸教室
何となくでけろくろを蹴って
何となくで作り上げた陶器
飾り気なんてあまりなくて
丈夫さは まぁありそう
何となくで作り上げた容器
使い続けて十数年
結局その後通うことなんてなかったのだけれど
洗練さなんかこれっぽっちも無いのだけれど
まぁ これはこれで良いんじゃないかしら

2025年3月20日木曜日

ブラックコーヒー

遠い冬の自販機前
あなたと選んだブラックコーヒー
苦くて飲めなくて皺寄せた
そんなおれの顔にあなたは笑って
若いおれはそんなあなたに怒って


冷えた夜の自販機前
あなたが飲んでたブラックコーヒー
苦くて飲めなかった幸せは
そんなおれの記憶に寄り添って
ねぇ、あなたと同じ年になったよ

2025年3月19日水曜日

日月

花よ 花は 風となり、
風よ 風は 森となり、
森よ 森は 山となり、
山よ 山は 海となり、
海よ 海は 恵となり、
恵よ 恵は 命となり、
命よ 命は 花となり、

2025年3月18日火曜日

儚きもの

酷いわ 酷いわ
私たちは今日まで、夏の暑さに耐えて、冬の寒さに辛抱して、やっと華麗に満開に咲いたのよ
なのに人間ったら散り際こそ美しいなんて言うの!
酷いわ!酷いわ!
人間は私たちが死んでいくのを喜んでいるのよ!

生きているの
私たちは生きているの!
たとえ風に攫われて、この身が土に汚れ、誰かの足で踏み荒らされ、やすやすと死んだとしても
生きているの!
私たちの矜恃は生きているの!

2025年3月17日月曜日

案山子

カァカァと烏がなく
今日も緩やかな風がたなびく
芽はまだ若く頭を垂れるにはまだまだ遠く
あゝ今日は良い日だ

ピロロロと鳶がなく
ふうわりと湿った風が流れてく
芽はまだ青く黄金に照り返すにはまだまだ長く
あゝ明日は雨が降りそうだ

ガヤガヤと人が歩く
さらりと冷えた風が吹いていく
芽は葉へと変わりされど収穫には少しだけ早く
あゝ今日も良い日だ

2025年3月16日日曜日

電気が消えた日

キリキリ、ビリビリ、ジージー、シューシュー
ゴォゴォ、ガラガラ、ツーツー、ピコピコ

いつもの音が聞こえない夜

ギシギシ、ガタガタ、ゴトゴト、ビュウビュウ
ザァザァ、カサカサ、ホーホー、パチパチ

いつもより音が聞こえてくる夜

2025年3月15日土曜日

You will always be in my heart

いつも身に付けてたイヤリングを自分の手で取り外した事を忘れ
その重さを感じなかった事に違和感を感じました。
そんなふとした時にあなたを思い出します。
耳の下は空っぽで、それが何故かあなたがいなくなった時の事を思い出して。

大好きです、大好きでした。

いつも身に付けてるイヤリングのようなあなたをいつか私は忘れ
その事に違和感を感じなくなった時に私は死ぬでしょう。
そんな馬鹿げた考えをあなたが知ったら泣いてくれますか。
耳の下が空っぽで、それが何故かあなたがいなくなった時の事を思い出して。

大好きです、大好きでした、きっと生涯私はあなたを忘れる事はないでしょう。

2025年3月14日金曜日

たらし

やぁやぁお客さん、あんた見ない顔だね旅人かい?

まぁまぁちょいと愚痴を聞いておくれよ

そこでみたらし団子を食べてる男は人誑しでね

美味しいもんに目がなくてよく涎を垂らしてるのさ

そんな顔に女も男も誑されほいほい飯をあげちゃってさ

そんであまりに美味しそうに目と頬を垂らしながら食うもんだからさ

みんなあの男が行った飯屋や菓子屋はこりゃあ美味そうだと思って我先にと食べたらしい

まったくこちとりゃ商売あがったりだよ

なんでそんな憎ったらしいのかって?そりゃああたしは瓦版を作っているからね

流行りになりそうなの物を探ってそれをお客さんに広めるのがあたしらの仕事さ

ようは文字という釣り糸を垂らして世論と言う名の生簀に新しい娯楽を送るのさ

まっ、あたしの仕事はそん中でもウチの班長の腹に来たらしい飯に関してだがね

これでもあたしの文を読んだ奴らは腹を鳴らして涎を垂らしちまうと言われる程度には得意なのさ

特に鱈料理に関しては得意中の得意さ!

だけど世間はそんなあたしの文字よりもあの憎ったらしい鼻垂らしが良いらしい

ああ恨めったらしい!もういっそと何度も思ったさ!

だけどあの鼻垂らしは本当に人誑しでねぇ

本当に美味そうに食うし、いつの間にか町にも、あたしの心にも幸せをもたらしてのさ

本当に憎ったらしい人誑しだよ

2025年3月13日木曜日

昆虫観察

愚痴と文学の差はなに?
肉欲と文学の差はなに?
日常と文学の差はなに?
画面に向き合って叩き叩かれあって
価値観のズレ
時代によるズレ
性別でのズレ
環境によるズレ
積み重ねた地層は互いに擦れて拗れて
昔も今日も人は争ってるんだ
争って争って争って
次第にエゴが広がって歪んで
まるで人間じゃないみたいだ

2025年3月12日水曜日

転生

急かしなさんな your ハピネス

まるで迷い込んだ霧の中

あなただけが僕の顔

掴んで、潰して、新たな世界へ


次に見えるは your ハピネス

もう慣れたもんじゃねぇと

新たな顔を作り上げて

掲げて、晒して、誰を誘う?


もういいかい your ハピネス?

されど人生繰り返し

またあなたを憑依させ

笑って、歌って、人生謳歌

2025年3月11日火曜日

いこいの森

小学校のすぐ近くにある森

迷いも出来ない小さな森

きっと地図にその名はない

だけど皆がそう呼ぶのだ

いこいの森


朝は鳥たちが木々の隙間で鳴き

昼休みに子供たちが駆け回り

夜中には虫たちが合唱する

誰がつけたか知らぬが皆呼ぶのだ

いこいの森


春は端の桜を子供たちに降らせ

夏は虫たちの影になり

秋は置かれた原木に茸を実らせ

冬は鳥たちの枕になる

太陽と月が巡るように

だから私は今日もそう呼ばれるのだ

いこいの森、と

2025年3月10日月曜日

二つの箱

箱が二つあるとして

一つが自分を殺す毒薬が入った瓶

一つが大切な誰かを壊す何か

必ず開けなければならないとして

必ず結果が訪れるとして

私はどちらを選ぶだろう

私はどちらを選べるだろう

じわりじわりと色をなくして

ふわりふわりと揺れる視界のなか

わたしのかな

あなたのかな

しろいいきが

きこえない

気付く

木津に寄付で築いた義父の金城 生酢が好きなキツツキが気付いたkillの跡 木槌で傷付いた逃走のキツツキ慌てて木筒に入る 「ちとキツいがしょうがない 菊を供えられるよりキュウキュウキツい方がマシさ」 さりとて犯人近くをギルギルと木槌で音を鳴らしグルグル徘徊中 さぁどうするキツツキ?...