2025年5月10日土曜日

Cherry

二つに分かれた赤い果実 二人は一つずつ分け合い
無垢故に深く考えもせず 蛇にそそのかされてるとも気付かずに

赤い 赤い その果実 食べてしまったのなら
もう泡沫には替えれない
開いてしまった善悪の扉 無垢は褪せ 純真は絡め取られた

眠れ 眠れ かの果実 食べてしまったのなら
もう楽園には帰れない
枯れてしまった常春の永遠 夢は弾け 命に枷が嵌められた

Cherry Cherry 赤い果実 笑ってちょうだい
もう天使には変えれない
溺れてしまった悦楽の二人 先は苦楽 神と人は別たれた

2025年5月9日金曜日

硬貨

昭和五十七年
昭和51年
令和3年
昭和五十年
平成12年
昭和六十年
令和二年
昭和52年
平成十六年
昭和63年
昭和50年
平成二十八年
昭和五十三年
平成元年

わたしの手元に来るまでにどれだけの景色を見てきたんだろうなぁ

暗い箱に入れられて
たまに外に出されて
時には自販機の下やどこかの道に転がっていたのかもしれない
丁寧に扱われたのかな?
それとも雑に投げられた?
どんな道程を歩んできたのだろう
わたしより年下だろうにわたしよりたくさんの人と触れたんだろうな
わたしよりうんと年上だからたくさんの場所に行ったんだろうな

木のように一つの所に留まってなくて
風のように実体がないわけじゃない
虫のように自分の意思で動けないのに
本のように特定の人達しか手に取らないわけじゃない
だからこそ今わたしの所に来たんだね
そしていつかわたし以外の人の所に行くんだね

わたしの手元から離れたあとにどれだけの景色を見るんだろうなぁ

2025年5月8日木曜日

神秘と畏怖 真理と不理解

往時の夢裡

灰色の土壁

聳えし植物

膨れる子房

蠢動す胎座

生誕し赤子

誰何は不要

繋ぐは啓蒙

生命の循環

2025年5月7日水曜日

綺羅星の如く

1から始まるソレは、様々な姿に形を変えて、
途方もない道を人間に歩ませる。
上がったり下がったり、数字と記号を組み合わせる中で、
解きようのない未知が立ち塞がったり、
徒労しかない結末が待っていたりする。
それはそれは心が疲弊するだろう。
時にはご飯が喉を通らない事もあるかもしれない、
幻覚だって見える事もあるかもしれない。
それでもソレを愛する者達がいる。

ただの文字の群れ。
しかしソレは美しく、時に歪に、世界を構成する。
さぁ次を解きに行こう。余白はたっぷりとあるのだから。

2025年5月6日火曜日

花笑み

高い 高い 容易に手が届かぬ岩肌に咲いた花になれたなら
誰にも煩わされることなく 空や海を眺めることができるだろうか
ゆらゆらと 風に体を靡かせ波音に耳をすませ
時間にとらわれず 空腹に喘がず ただのんびりと

そうやって光が延びる境界線を眺め続けて私は 次の生の事を考えるのだ
考えて考えて考えて 此度の生に満足して風に体を散らして朽ちるのだ

2025年5月5日月曜日

太陽にお手上げ

お前はバカで突拍子もなくて すぐに面倒事を持ってきやがる
3秒目を離したと思ったら 忽然と姿が消えていて 何度叫んだことか
リードにすぐ絡まるし 興味ある物にすぐ走っていく
たまに変に賢いから 本当に危ない所には 突っ込んで行かないのは助かるが

お前の相手をするのは疲れる お手上げだ
自由 お前は本当に自由だ
だがそんな誰よりも 自由なお前だからこそ
太陽のように照らして 周りを元気にするのだろう

お前はバカで突拍子もなくて すぐに面倒事を持ってきやがる
だけどそんなお前に照らされて 思わず笑ってしまうから お手上げだ

2025年5月4日日曜日

YからKへ

私にとって、
嬉しいと言うのは咲いた花を見つけた時やゲームに勝った時、美味しい食べ物や飲み物を堪能してる時、そして貴方が傍にいる時。
寂しいと言うのは夜に一人で歩いてる時や人の音がしない家に居る時、フォロワーさんが減った時、そして貴方の声が届かなかった時。
悲しいと言うのは猫さんが逃げちゃった時やお菓子のオマケをどこかで落とした時、テレビの向こうで若い芽が散ったの知った時、そして貴方を信じられなかった時。

私にとって、
親愛と言うのはお月様を眺めてる時や両親や友と会話する時、飼い犬のもふもふの毛皮を撫でている時、そして貴方が他の誰かと楽しそうに会話しているのを見ている時。
嫌悪と言うのは自分勝手で無責任な人を見た時や台所であの虫を見かけた時、ゲームで煽る奴が現れた時、そして貴方が他の誰かを好きになるんじゃないかと不安で疑ってしまった時。
幸せと言うのはゆっくり二度寝を堪能する時や欲しかった物を買った時、両親や友が怪我なく一日を終えた時、そして貴方が優しくキスをしてくれた時。

2025年5月3日土曜日

KからYへ

俺にとって、
嬉しいと言うのは君がキスに応えてくれた時で、
寂しいと言うのは君に声が届かなかった時で、
悲しいと言うのは君と自分を拒絶された時。

俺にとって、
親愛と言うのは君が答えを待っていてくれる時で、
嫌悪と言うのは君が他の誰かに笑顔を向けた時で、
幸せと言うのは君が傍にいてくれる時だ。

2025年5月2日金曜日

手のひらに風

それは寂借の恋でした。
人でなく、時間もなかった彼女。
初めから結果なんて決まっていた。
俺が彼女に喰われるか、彼女が力を失い消えるか。
最初は知らなかったけど、彼女の体が透けてるのを見て気付いた。
彼女は人ではない、ようやく気付いた時には遅かった。
それは不確かな恋でした。
彼女のことも、彼女の心も、俺たちの行く末も。
何も知らなかった。何も知りたくなかった。
それでも貴女に恋をした。
それだけは確かなことでした。





わかってる、わかってるんだ。
俺が生きてるのは彼女の努力の証明で、何事にも変えがたい尊いことで、受け入れるべきだってわかってるんだ。
それでも、
それでも胸が苦しくて悔しくて張り裂けそうなんだよ。

2025年5月1日木曜日

青い鰭

海の中で息を吸う
どこから来た
巨大な魚が問いかける
ぼやける思考と泡
詰まる喉に巨影が迫り

部屋の中で息を吐く
安堵のため息の後に
響いた水音
ポツリと家に一人

2025年4月30日水曜日

使い回しの脚本

古い洋館に響くキミの嗚咽
連綿と続く血はキミを呪い
その薄い双肩に勝手に背負わせる
運命の悪戯は歯車を狂わせ
幸せになるべきキミは壊れた
私は探偵、故にキミに告げる
キミは一線を越えてしまった
犯してはならない罪を犯した

たった一度の冒険だったのだろう
最初で最後の自由だったのだろう
それが全てを壊してしまったのは
ある意味とても皮肉的なことだ
私は探偵だがキミの友でもある
だから友として、キミに告げる
もう頑張らなくて良い
血も歴史も呪いももうキミを縛りはしない
キミの目の前にあるのは新しい自由だ

探偵として、友として、キミに告げる
キミが罪を償った後で、キミと再び出会える日を私は待っている

2025年4月29日火曜日

狐はつまんだ

コンコンコン

おやぁこんな夜更けにどないしました?
こぉんな人気のない森の奥で
ずぅっとポツリ一人居よってからに
まぁ外は寒かやろ、家に入りぃや

特に何も無いさかい、そこらに生えてる葉の茶やけどええか?
ほんで、こぉんな深い夜の中不用心に彷徨いてたん?

ほぅほぅ寺に行く途中で迷子になったと
それにぃ?あっという間に夜になっていたと

それはあんさん、狸にでも化かされたんやろねぇ?
ほぅらあのぽんぽこ共は化かすのが好きやさかい
あんさんおマヌケそうやし馬鹿にされたんやろねぇ

アハハまぁまぁそんな怒らんといてやぁ
化かすモノらは楽しいからそうするんや

わかるわぁ、自分もそうやもん

ん?あんさん今頃気付いたん?
あんさんやっぱおマヌケさんやねぇ
こんな鈍くて他の狐狸たちに
パクと喰われんか心配やわぁ

まぁ久しぶりの人間との茶も楽しかったし
礼と言うのも何やけどここから逃がしたるわ

──コンッ


夕日が照らす森の中
狐がコンと鳴いたので
早くお家に帰りましょ

コンコンコン!

2025年4月28日月曜日

天工の慈しみ

緑の山
千尋の谷
月の渓谷
芝と青葉
火の粉に熔岩
霜の草原
隆起の漣

これらは宝 私の宝だ

2025年4月27日日曜日

雷声

叫べ 叫べ 叫べ

わたしは此処にいる

揺らせ 揺らせ 揺らせ

脳<愛>を溶かしてしまう程に

壊せ 壊せ 壊せ

わたし<愛>を認めないくらいならば!

2025年4月26日土曜日

欣幸ノ加護

光さす青き湖 船を漕ぐ
風しなる水面 弧を描く
緑揺らぐ花畑 香を纏う
遥かなる大空 時を刻む
ᛒᛚᛖᛋᛋ ᛏᚺᛁᛋ ᚥᛟᚱᛚᛞ
ᛗᚪᚤ ᚤᛟᚢᚱ ᛚᛁᚠᛖ ᛒᛖ ᛒᛚᛖᛋᛋᛖᛞ


光落ちる平野 野を駆る
風やまぬ草原 影を揺す
緑広がる森林 橙を装う
遥かなる大地 生を刻む
ᛒᛚᛖᛋᛋ ᛏᚺᛁᛋ ᚥᛟᚱᛚᛞ
ᛗᚪᚤ ᚤᛟᚢᚱ ᛚᛁᚠᛖ ᛒᛖ ᛒᛚᛖᛋᛋᛖᛞ


光零れる砂漠 星を仰ぐ
風すさぶ砂丘 遠を見る
緑連なる清水 命を紡ぐ
遥かなる夜闇 孤を刻む
ᛒᛚᛖᛋᛋ ᛏᚺᛁᛋ ᚥᛟᚱᛚᛞ
ᛗᚪᚤ ᚤᛟᚢᚱ ᛚᛁᚠᛖ ᛒᛖ ᛒᛚᛖᛋᛋᛖᛞ


光反射す雪山 息を飲む
風あそぶ粉雪 音を穿つ
緑隠れる樹氷 日を掴む
遥かなる明星 名を刻む
ᛒᛚᛖᛋᛋ ᛏᚺᛁᛋ ᚥᛟᚱᛚᛞ
ᛗᚪᚤ ᚤᛟᚢᚱ ᛚᛁᚠᛖ ᛒᛖ ᛒᛚᛖᛋᛋᛖᛞ

2025年4月25日金曜日

鯨骨と桜

なぁ、我らは対照的だと思わんか?
春にだけ咲いてすぐに散る花に
長い時間己が意思で海を悠々と泳ぐ魚だ
それが別に羨ましいとは思わんよ、何ものにも産まれ持った個性と言うのがあるからな
吾は桜で、汝は鯨
それは変える事の出来ない事実で、何ものにも侵す事が出来ない命の組み分けだからな
長く海中で縄張り争いを勝ち泳いだ魚と
長く大地に根を張り生きる花か
おぉ、これは対称的だと思わんか?

……
あぁ、今宵は良い風が吹いておるな

……
鯨、鯨よ 死後に骨だけ祀られるとはどんな気分だろうな

……
汝は死後海から陸へ来た ならば吾は朽ちれば海へ行こう

……
あぁ、しかしその時に汝がおらぬのはちと寂しいかもな

2025年4月24日木曜日

りんごキャラメル煮

りんごキャラメル煮
薄茶色で美味しいアイツ
でも本当は食べたことないの

りんごキャラメル煮
噛むとしゃりっとしてしゅわってなるわ
でも本当に食べたことないの

りんごキャラメル煮
ほろ苦いカラメルが最高よね
まあ食べたことないのだけれど

本当よ? 本当に食べたことないはずなの
だけどなぜか風味と食感を知っているわ

りんごキャラメル煮
心が満たされる幸せな味
いつか本当に食べてみたいわ

2025年4月23日水曜日

キューピットのジレンマ、またはとあるキューピットの多世界解釈

例えばこの矢で二人の仲を結んだとして、それで二人は恋に落ちるけど
もしボクが矢を放たなかった結果二人か、もしくはどちらか片方が別の人と結ばれたとしたら
矢を放ったボクはその結ばれるはずだった人の運命を狂わせた事になるのかな?

例えばその人をまた別の人と結ばせたら、それは二人が恋に落ちるはずだった
けどボクが矢を放った事でならなかった人が、確かにどこかに居てその人と結ばれなかったとしたら
矢を放たなかったボクは結ばれるはずだった四人の運命を変えた事になるのかな?

ねぇ主様
恋のキューピットなんて言われるけど、ボクは今持っているこの矢がなんだかとても怖いんだ

2025年4月22日火曜日

微炭酸メルト

缶チューハイの微睡み
静かにフチをなぞる
君の指先と眼差し

2025年4月21日月曜日

見てる
見てるよ
みーんな視てる
壁の曲がりから
窓の視向こうから
棚の隙視間から
扉の奥から視
視天視井の影から
椅子の下視から
鏡視の中視から
カーテ視ンの裏から
貴方の後ろから
見てる
見てるよ
みーんな視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視視てるよ

白百合に囚われる

黒い髪、白い髪 黒い瞳、緑の瞳 傷だらけの体、玉のような肌 顰めっ面、微笑み 隙のない佇まい、いつでも殺せそうな儚さ 執事、主人 守る者、守られる者 ……あぁ二人は全く違う。 愛しい人、こんなに違うのにあなたは私を愛してくれる。手を差し伸べてくれる。 その美しい手で私を救ってくれ...